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歯科コラム

正しい歯の磨き方とは?予防歯科がやさしく解説する基本のコツ

こんにちは、院長の向井です。

「毎日、欠かさずしっかり磨いているのに、なぜか虫歯になってしまう……」
「自分なりに丁寧にやっているつもりなのに、歯医者さんで『磨き残しがありますね』と言われてショックを受けた」そんな経験はありませんか?

毎日頑張ってケアしているからこそ、トラブルが起きるとがっかりしますし、なぜ?と疑問に思いますよね。

今回のコラムでは、予防歯科の視点から、今日からすぐに実践できる「基本のコツ」をやさしく解説します。 この機会に、“毎日やっている歯みがき”を、“本当に磨けている歯みがき”へとアップデートしていきましょう!

歯みがきの目的は『歯垢(プラーク)』を落とすこと

歯みがきのいちばん重要な目的は、歯の表面についたプラーク(歯垢)を取り除くことです。

プラークは単なる食べかすではなく、細菌が集まって歯の表面に張りついたバイオフィルムです。水で流すだけでは落ちにくく、歯ブラシの毛先で崩していく必要があります。

たとえるなら、キッチンや排水口のぬめりに近いイメージです。
だから歯みがきは、ただ強くこすることではなく、毛先をきちんと当てて、やさしく落としていくことがポイントになります。

今日からチェック!3つの基本ルール

1.毛先を当てる位置を意識する

歯の表面には毛先をまっすぐ当て、歯と歯ぐきの境目には少し角度をつけて、毛先が入り込むように当てることが大切です。方法はいくつかありますが、共通するポイントは、汚れのたまりやすい場所に毛先が届いていることです。

2.強く握りすぎず、やさしい力で磨く

歯ブラシをグッと握ると、どうしても力が入りやすくなります。
軽く柔らかく持つほうが、細かく動かしやすく、力も入りすぎにくくなります。

3.大きく動かさず、小さく動かす

歯ブラシを大きくゴシゴシ動かすよりも、小さな幅で細かく動かすほうが、毛先が狙った場所に残りやすくなります。歯を1本1本、あるいは1〜2本ずつ丁寧に磨く意識を持つだけでも、磨き残しは変わってきます。

要するに、ブラッシングでいちばん大事なのは、「軽い力で、毛先が汚れに届いているかを確認しながら進めること」だと思っていただければ大丈夫です。

フッ化物配合の歯磨き粉は「量」と「すすぎ方」がカギ

歯磨き粉の量

ここで、磨き方とあわせてぜひ知っておいていただきたいのが、歯磨き粉の量です。

最近の歯磨き粉の多くには、虫歯予防を目的としてフッ化物が配合されています。フッ化物配合の歯磨き粉(歯磨剤)は、日常的に適量を使うことで口の中にフッ化物を届け、虫歯の発生や進行の予防に役立つことが示されています。

実際、世界的な調査では、フッ化物配合歯磨き粉の虫歯予防効果はおおむね24%と報告されており、その効果は配合濃度が高いほど大きくなることも明らかになっています。

そして2023年版の4学会合同提言(日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会)では、年齢ごとに推奨される歯磨き粉の量と濃度が示されています。目安は次のとおりです。

  • 歯が生えてから2歳まで:米粒程度(1〜2mm程度)、900〜1000ppmF
  • 3〜5歳:グリーンピース程度(5mm程度)、900〜1000ppmF
  • 6歳以上〜成人・高齢者:歯ブラシ全体にのるくらい(1.5〜2cm程度)、1400〜1500ppmF

せっかくフッ化物配合の歯磨き粉を使うのであれば、磨き方とともに、適切な量を使うことも虫歯予防では必要です。大人の方は、意外と少なすぎる量で磨いていることがあります。少なかったかな?と心当たりのある方は、今日から少し多めにしてみるだけでも十分です。

ご自身のケアはもちろん、お子さんの仕上げ磨きをされている方は、「どのくらい付ければよいか」まで意識すると、セルフケアの質がぐっと上がります。

お口のすすぎ方

歯みがき後のすすぎ方にもポイントがあります。

6歳以上のお子さんと大人では、歯磨き粉を軽く吐き出したあと、うがいをする場合は少量の水で1回のみが推奨されています。

何度も水でゆすぐ必要はありません。これは、お口の中にフッ化物を少し残し、予防効果を活かしやすくするためです。

自分に合った歯ブラシ選びも、セルフケアの一部です

毎日使う歯ブラシですが、なんとなくいつも同じものを買ってしまうという方も多いのではないでしょうか。

歯ブラシは、年齢やお口の状態や磨き方のクセによって、合うものは少しずつ違ってきます。一般的には、やわらかめの毛先の歯ブラシが勧められることが多くあります。歯ぐきに余計な負担をかけにくく、やさしい力で磨きやすいためです。

また、ヘッドが小さめの歯ブラシは、奥歯の奥や細かい部分にも届かせやすいことがあります。「有名だから」「なんとなく良さそうだから」ではなく、自分のお口で使いやすいかどうかです。

最近は電動歯ブラシを使う方も増えています。
信頼性の高い研究をまとめて分析する手法(システマティックレビュー)では、電動歯ブラシがプラークや歯肉炎の改善で手用歯ブラシよりも、やや有利だったという報告もあります。 とはいえ、いちばん大切なのは、どちらを使うかよりも、正しく続けられるかどうかです。

お口のケアの専門家である歯科衛生士

当院には、お口のケアの専門家である歯科衛生士が在籍しています。

ブラッシング指導は、「磨けていないところを注意する時間」ではありません。今できていることを確認しながら、より楽に、よりきれいに磨ける方法を一緒に探していく時間です。

「ここはきれいに磨けていますね」 「ここだけ少しブラシの角度を変えてみましょうか」 「歯磨き粉の量はちょうどいいですね。すすぎ方も少し工夫してみましょうか」

そんなふうに、患者さんの日頃の頑張りを土台に、より良く無理なく続けられるセルフケアを一緒に考えていきます。

歯並びや歯の形など、汚れが残りやすい部分を視覚的に確認しながらのほうが、ご説明しやすくなることもあります。

「どこが自分の苦手ポイントなのか」が見えてくると、毎日の歯みがきもぐっと取り組みやすくなります。

歯みがきは「自己流の頑張り」より「ときどきの答え合わせ」が大切です

歯みがきは、毎日の欠かせない習慣です。

だからこそ、自己流のまま頑張り続けるよりも、ときどきプロのチェックを受けて、今の磨き方や歯磨き粉の使い方が自分に合っているかを確認することが大切です。

「こんな基本的なことを聞いてもいいのかな」

そう思われる方ほど、ぜひ気軽にご相談いただきたいと思います。

実は、その“基本”の見直しこそが、将来の歯を守る大きな力になります。荻窪の皆さまが、毎日の歯みがきに少し自信を持てるよう、歯科衛生士と一緒にしっかりサポートしてまいります。

「自分の磨き方、これで合っているかな?」 「歯磨き粉の量は合っているかな?」 ちょっとした疑問や不安があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

この記事の監修・執筆者
院長 向井 昌大

向井 昌大(むかい しょうた)

荻窪ステーションサイド歯科・矯正歯科 院長 / 歯科医師

九州歯科大学を卒業後、都内歯科医院での研鑽を経て、2023年に当院を開業。患者様が「歯を意識しすぎず生活を送れること」を理想に掲げ、予防歯科を中心とした親身な診療を行っています。

  • 日本歯科医師会 会員
  • 東京都歯科医師会 会員
  • 日本歯周病学会 正会員
  • 日本口腔インプラント学会 正会員

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